|
《大フーガ》(独:''Große Fuge'')変ロ長調 作品133は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが作曲した弦楽四重奏曲である。 == 概説 == 本作は演奏者に対する極度の技術的な要求だけでなく、極めて内省的な性格によっても有名で、後期作品の基準にさえなっている。ベートーヴェンが完全に聴覚を失った1825年から1826年にかけて作曲された。元来この巨大なフーガは、《弦楽四重奏曲第13番》の終楽章として作曲された。《第13番》が初演された後、2つの楽章がアンコールに応じて演奏されたが、当時終楽章であったこのフーガは取り上げられなかった。ベートーヴェンは納得できず「どうしてフーガじゃないんだ?」と噛み付き、聞くに堪えない悪口を並べたという。しかし、このフーガが当時の演奏家にとってはあまりに要求が高く、聴衆にも理解できず不人気であったため、ベートーヴェンは出版者にせがまれて新たなフィナーレを作曲し、このフーガを単品として独立させた。ベートーヴェンは強情な人柄や、聴衆の意見や趣味に無関心なことで有名であったが、このときは出版者の要望に折り合った。フーガと取り替えるために書き下ろされたフィナーレは、性格においてフーガよりも軽く、《第13番》の他の楽章にもしっくりした。 19世紀から長い間、《大フーガ》は失敗作と見なされていた。ルイ・シュポーアは、ベートーヴェンの他の後期作品と併せて「わけのわからない、取り返しのつかない恐怖」と怯え、ダニエル・グレゴリー・メイソンは「人好きのしない」曲であるとした。19世紀末の歌曲の大家フーゴー・ヴォルフでさえ、この曲を含むベートーヴェンの晩年の弦楽四重奏曲を「中国語のように不可解である」と評している。しかしながら20世紀初頭ごろから次第に評価は好転し始め、現在ではベートーベンの偉大な業績の一つとみなされている。イーゴリ・ストラヴィンスキーは、「絶対的に現代的な楽曲。永久に現代的な楽曲」と述べている。今日では普通に演奏・録音されるようになっており、録音では第13番の後に大フーガが併録されていることが多い。 フェリックス・ワインガルトナーは、コントラバスのパートを加えた弦楽合奏用の編曲を残している。 またアルフレート・シュニトケは弦楽四重奏曲第3番(1983年)にて、この大フーガの主題を重要な動機の一つとして扱っている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「大フーガ (ベートーヴェン)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|